NUDA900RのUSB電源が突如壊れたので、バッテリーからリレーを使って電源を取ってみました。ついでにモバイルバッテリーが安定して充電できない原因も調べ、解決したのでご紹介します。
デイトナ製USB電源の取り付けで困っている人は記事内に答えがあるかも!
その日は突然に訪れた。
「さーて、USB電源の記事でも書こうかなー」
「ワレテルーーーーーーー!!」
ということでUSB電源を交換します。
ただ交換するのは面白くないので配線をイチからやり直します!これで気になっていた現象も解決できるかもしれない。。。
モバイルバッテリーが充電できない問題
長年悩んでいた現象、それはモバイルバッテリーの充電がうまくできないこと。
長期ツーリングにはとても便利なスマホホルダーとUSB電源。特にUSB電源は移動しながらスマホやモバイルバッテリーが充電できるので、キャンプメインのツーリングでは必須装備といっても過言ではありません。
しかしNUDA900Rに取り付けているUSB電源は、モバイルバッテリーが充電できない現象がよく起こります。つまり、バイクに乗っている時しかインカムやカメラが充電できなくなってしまったのです。
そう、致命的ってやつです。
原因は何なのか考え、導き出した答えが「1か所の電源に様々な電装品をつないでしまっているので不安定になっているのではないか」ということ。並列回路は電流が分散してしまうって小学生の頃に学んだ気もしますし、いい機会なので配線を見直した方がよさそう。
モバイルバッテリーが充電できない原因を発見!?
原因を色々調べていると使っている充電器の公式サイトに答えがありました。
モバイルバッテリー本体へ充電ができません。
以下の方法をお試しいただき、症状が改善するかご確認ください。
モバイルバッテリーに関するよくある質問|Anker (アンカー) Japan公式サイト
・モバイルバッテリーへ充電する際のUSB充電器が【5V=2A】以上出力できるかご確認ください。
・モバイルバッテリーと接続しているケーブルを変えていただき、再度充電ができるかご確認ください。
やっぱり電流が足りていないのかも。パッキリ割れたUSB電源にもう少し頑張ってもらって電流を測ってみます。
案の定2A出ていません。コレで間違いないですね!原因も判明したのでUSB電源の交換と配線のやり直しに取り掛かっていきます。
しかし、原因は配線ではなかったのだった
電気をどこから取るか考える
今の配線をすべて取り除くので、ゼロからの取り付けと同じ作業になります。
まずは電気をどう取るか決める必要がありますが、方法は大きく分けて4つ。それぞれにメリット・デメリットがあるのでまとめました。
バッテリーから取る 難易度:★☆☆☆☆
バッテリーから直接電気を取る方法で「バッ直」と言ったりします。
メリット
バッテリーにつなぐだけなので配線が簡単!高出力の電気を安定して取り出すことが可能です。
デメリット
エンジンを切っていても常時電気が流れているのでバッテリー上がりの可能性があります。雨天時のショートも怖い。
実はカゲモトのトリッカーもバッ直。ただし、USB電源側にスイッチがあるものを選んでデメリットをカバーしているよ。イルミネーションは赤がよかったけどそれ以外の不満はないね。
ヒューズから取る 難易度:★★☆☆☆
バイク側の配線を加工しなくていいので、はじめて電装品を取り付ける人には一番オススメしたい方法です。ヒューズ電源は買っても良いし、道具があれば自作することも可能。
メリット
バイク側の配線を加工する必要はなく、ヒューズボックスのヒューズを差し替えるだけで電気を取りだすことができます。キーONと連動して電気が流れるのでバッテリー上がりの心配はありません。
デメリット
取り出せる電流の上限が決まっていることやヒューズボックスの蓋が閉まらない可能性もあります。ショートした時は買いなおす必要があります。ヒューズ付きを選んだ方が経済的。
最大5Aだからいっぱいつなぐとヒューズが飛んじゃうよ。2口のUSB電源だけで最大4Aだからね。念のために予備の管ヒューズは準備しておこう。
アクセサリー電源から取る 難易度:★★★☆☆
略して「ACC電源」とも言います。道具さえあればお手軽にできます。部品も少なくて済むのもポイント。正解は一つではないのでセンスが試される方法です。NUDAはこの方法でライセンス灯から電気を取っています。
メリット
キーONと連動して電気が流れるのでバッテリー上がりの心配はありません。好きなところから電気を取れるので配線の自由度が高い。
デメリット
キーONにした時に電気が流れる線を探すのが手間。既存の配線を加工する必要があります。
USB電源をハンドル回りに取り付けるなら、ライトやホーンから電気を取れば配線を短くできるね。作業にはテスターが必要だけど、あると便利だから買って損はないと思うよ。
リレーを使って取る 難易度:★★★★★
リレーを使ってバッテリーから取る方法です。バッテリーから取る方法のデメリットをなくした究極の配線方法!ただし作業時間も難易度もピカイチ。
メリット
高出力の電気を安定して取り出すことが可能です。独立した回路になるのでトラブルがあってもバイクに影響が出にくく、もちろんキーONと連動します。
デメリット
必要な部品が多く「線をどうやって引くか」「リレーなどをどこに収納するか」など考えることもたくさん。
今回はキミに決めた!
USB電源の取り付け
NUDA900Rには「ワイヤレス充電Qi」「2口のUSB電源」「ETC」が搭載されています。これらすべての電気をライセンス灯から取っていましたが、安定した電気を確保するためにUSB電源とQiの電気はバッテリーからリレーを使って取り出していきます。
まずは必要部品をそろえる
USB電源本体とバッテリーから電気を取り出すための部品がこちら!
USB電源はデイトナのスレンダーUSBを再び選択しました。スリムな形状で使用しない時も目立たないオススメの一品です。バッテリーからの電気の取り出しに「リレー」「ヒューズホルダー」「ヒューズ」「配線保護スリーブ」「配線コード」を購入。
部品の詳細が知りたい人はこちら→ <必要な部品一覧へジャンプ>
配線する!
まずはNUDA900Rをヌーダにします。
シート下にはおびただしい配線が押し込まれてます。ここからUSB電源の配線を探し出して取り外しますが、ETCの配線も気になっていたので一緒に取り外して引き直します。
これが一番時間がかかりましたが今回は関係のない作業なので詳細は割愛。
電装を触る際は、ショートを防ぐためにバッテリーのマイナス端子を先に外すのが鉄則でしたね。そのあとにプラス端子を外します。戻す時は逆にプラスを取り付けてからマイナスを取り付けます。
気づかれた方はお目が高い。バッテリーはSHORAIに交換しています。圧縮比の高いNUDAのエンジンでも軽く回してくれるパワフルなヤツです。
配線していきます。バッテリーからのハンドル付近まで黄色の線を通してみて最適な長さを確認。
NUDAのガソリンタンクはシート下なので、タンクがあるべきところには少しスペースがあります。むしろ、ここくらいしか配線をまとめる場所がないのが困ります。
黄色い線に端子を取り付けていい感じにします。
プラス線のギボシには電気が通っていてもショートの心配がないメス端子を使うのが良いとされていますがオス端子を使ってしまいました。みなさんは「プラス線側にはメス端子」と覚えておいてください。
そして線の保護にはコルゲートチューブより、配線保護スリーブが見た目がよく純正品っぽいのでオススメです!
この黄色の線をバッテリーからリレーの設置場所まで配線し、残り3本の線もリレーに向けて配線させます。さくっと線をつなぐとこうなります。
リレーから伸びている線を説明すると
赤線は電流の入力線。バッテリーとつないだ黄色の線をヒューズを経由させてからつなげます。
青線は信号線。この線に電気が流れるとリレーから電気が出力されます。キーONと連動させたいのでライセンス灯の線とつなぎます。
黒線はアース線。フレームとつないでアースを取ります。
黄色線は出力線。青線から黒線に電気が流れると黄色線から赤線に電装用の電気が流れます。
あとは、ごちゃごちゃした配線をいい感じに束ねてどこかに押し込み、リレーとヒューズを固定すればUSB電源を取り付ける準備は完了。
USB電源を取り付ける
次にUSB電源を開けて内容物を確認します。
この商品のいいところは、付属のブレーキスイッチ分岐ハーネス線で簡単に取り付けられる点。ブレーキレバー裏の配線を利用できるので20分くらいで取り付けることができます。
注意点は、大体の国産バイクであれば使用できるハーネス線ですが、12Vが流れる線を探すためにテスターや検電テスターは必要。ほかにも、一部の国産車や外国車は端子形状が異なっていたり、12Vが来ていないので使用できません。
ブレーキスイッチ分岐ハーネス線が使えない場合は、ヒューズやアクセサリーから取る方法を検討しましょう。私なら、ホーンやポジションランプの線を利用すると思います。
もし、ブレーキを握った時しか充電されないなら、もう片方の線に差し替えてみて。
そもそも、ブレーキスイッチに12Vが来ていなければ別の方法で取り付けるしかないよ。
今回はバッテリーから電気を引きたいので、そもそも使用しませんけどね。
USB電源のプラス線をリレーの赤線、マイナス線を適当なところでボディーアースさせれば、後は余った線を束ねて固定すれば取り付けは完了!
最後にバッテリーと外装を戻せば作業終了です。
NUDAはファットバーハンドルでハンドルの根本は太くなっているので少し加工しています。前回はそこの加工が甘かったせいでパッキリ割れてしまったんでしょう。
モバイルバッテリーは充電できるのか?
結果は分かっていますが、テストも兼ねてモバイルバッテリーを充電してみます。
ここまで回り道もしたので3時間かかりました。何度も悩まされたモバイルバッテリーが充電できない現象。以前調べた時は有力な情報が見つからず、諦めていたこの憎き症状が!今、ついに解消されるのです!
それではご覧ください。
逆に下がっとるやないかーい
配線は関係なかった。
3時間の作業時間をきれいに無駄にしてしまいました。いや、悪化させてしまった?USB電源の最大電流は2.4Aだから初期不良かUSB電源以外が問題。じゃあ原因は何なのさ。
ふと嫌な予感がしてきました。もしかすると、とんだ回り道をしてしまったのかもしれません。
モバイルバッテリーが充電できない原因を発見!? ~解決編~
今回の電流の測定結果を見直すとあることに気づきました。
おわかりいただけただろうか。
そう、使っている充電コードが違うんです。つまり「充電コードによって取り出せる電流が違うのではないか」という仮説が成り立つわけです。ちなみに最低な電流を記録した充電コードはインカム用の純正充電コード。試しにバッテリーに付属していた充電コードで試すと
ほぼ2A出ましたね。
これで間違いありません。原因は充電コードでした。充電用差込口の形状が同じで長さもちょうどよかったので使いまわしていたのがいけなかった。
というわけで2A出る長いコードを探して購入しました。測定結果はふつうに2A出たので割愛します。
マイクロUSB用は意外と少なかったので同じような悩みをお持ちの方に向けリンクを貼っておきます。悩んでいる人がいないかもしれませんが。
最後に - 思い込みって怖いよね –
今回の件で、充電ができない時は充電コードも疑う必要があるということを学べました。いや、文字にしたら当たり前すぎて辛すぎる。
ですが、シート下のモッサリした配線をやり直すいい機会にはなりました。今さらですが、電気を取る位置で最大出力が変わるか比較しても面白かったかもしれませんね。
「私も自分でしてみたい!」という人に向け、わかりやすく学べるサイトのリンクを最後にまとめておきます。興味があればみてみてください。
ではまた!
おまけ
必要な部品一覧
USB電源はこちら。スレンダーシリーズは1ポートタイプやTYPE-Cもあります。
部品は全てエーモンで揃えました。名前の通りいい品質のものがそろっています。
工具を持っていない場合はギボシセットがお得!
わかりやすく学べるサイト
さらにエーモンは自分で取り付けてみたい人に向けて情報を配信してくれています。これさえ熟読すれば簡単な電装品は自分で取り付けできるでしょう。
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