- スポスタのオイル交換って難しそう・・・
- 工具も知識もないけど自分でやってみたい!
- スポーツスターのオイル交換の方法を知りたい
スポーツスターのメンテナンスやカスタムに挑戦してみたいけど、国産バイクと違って難しそう。。。ところが!インチ工具さえ揃えてしまえば、国産バイクより単純です。
中でも、エンジンオイルの交換はマイナスドライバー1本だけでできるという、逆に心配になるシンプル構造で、初めてのメンテナンスにも最適!
そこでこの記事では、ハーレーダビッドソン スポーツスター(XL系 ‘04~)のエンジンオイルとオイルフィルターの交換方法をわかりやすく解説します。必要な道具から具体的な手順、注意点までしっかりカバー。初めてでも安心して作業できる内容になっています。

スポーツスターはXL883系もXL1200系も作業工程とオイル量は共通です。オイルフィルター交換時にオイルをぶちまけないコツもご紹介します。
今すぐ交換手順が知りたいあなたは、ここからジャンプ!
こちらの記事で、オイル交換を自分でやるメリットとよくある疑問について解説しています。
スポーツスターのプライマリーオイル交換方法はこちらです。
スポーツスターのオイル&フィルター交換で必要な物

スポーツスターのエンジンオイル&オイルフィルター交換に必要な物の一覧は、以下のとおりです。
必要な物 | 数 量 |
エンジンオイル | 2.6L |
オイルフィルター | 1個 |
廃油処理パック | 1個 |
画像のOリングとシールテープはプライマリーオイル交換用なので、今回は使用しません。
必要な物について、詳しく解説します。
エンジンオイル:20W-50 2.6L(オイル交換のみ 1.9L)
メーカーが推奨するスポーツスターのエンジンオイル粘度は「20W-50」です。スポーツスターのエンジンオイルとフィルターの交換には2.6L必要なので、1Lを3本、または4L缶を購入しましょう。

ちなみにハーレー用オイルの容量は、リッター(L)ではなくクオート(qt)が多い。じゃが、1qt=0.95Lじゃから、あまり気にしなくても良いぞ!
私は「LOVCA SPORT 15W-50」を使用しています。LOVCAはさまざまなレースシーンで活躍する信頼できるオイルブランドです。1万キロ以上使用したレビューはこちら!
推奨オイルより粘度をやや柔らかくしていますが、スポスタ界隈で15W-50は良く選ばれている粘度です。15W-50に変えたことで、エンジンが気持ちよく回り、冷間時の始動性も向上しました!
ただし、低性能なオイルは故障の原因になるので、良いオイルで試してみてください。巷では「カストロール POWER 1」を使っている人も多くいます。
以前、トリッカーにカストロール POWER 1を入れました、性能に不満は感じず、リーズナブルな価格が魅力です。


ハーレーには鉱物油が良いとされていますが、旧車でなければ合成油でも大丈夫です。実際に、Buell XB9RとXL883Rで100%合成油使用中にエンジン系で故障はありません。
オイルフィルター
スポーツスターのオイルフィルターはカートリッジタイプになっていて、外装はブラックとクロームメッキが存在します。
私が使用しているフィルターは「デイトナ リプレイスオイルフィルター」のブラック。ツヤ消しで悪目立ちせず、リーズナブルなのでリピート買い中です。


廃油処理パック
古いオイルは廃油処理パックにしみ込ませることで、燃えるゴミとして処分できます。受け皿も必要なく、古いオイルをそのまま受け止められるので便利です。

ただし、自治体によっては燃えるゴミとして処分できない地域もあります。もし、自治体で処分できない場合は、ペットボトルなどの容器に入れて、ガソリンスタンドやバイク用品店に持ち込むか、廃油回収業者に依頼しなければいけません。
無料のごみ分別アプリ「さんあ~る」を使用して、事前に確認しておきましょう。


交換整備に必要な3つの工具

スポーツスターのエンジンオイルとオイルフィルターの交換に必要な工具は、この3つだけです。
- マイナスドライバー 2番
- ラチェットハンドル 3/8インチ(9.5mm)角
- フィルターレンチ 14面76mm

マイナスドライバーはホースバンドを緩めるだけなので、どんなものでも大丈夫。ラチェットハンドルについても、トルクをかけないので安いものでも良いです。でも、今後も整備を行うなら、工具はちょっと良いもので揃えた方が無難。
工具はピンからキリまでありますが、ヘッドが回転するスイベルラチェットハンドルは、立てればドライバーのように早回しができるのでオススメです。
インチサイズのソケットセットで重宝するSK11からも販売中です。

交換整備に便利な3つのアイテム
エンジンオイル交換であると便利な3つのアイテムはこちら!上から、あったら便利な順に並べています。
- ブルーシート
- 牛乳パックなどの厚紙
- 漏斗(ろうと)
- エンジニアグローブ
オイル交換作業は注意していても、オイルをこぼしがちです。特にスポーツスターは、オイルフィルターから滴るオイルを受けないと大惨事になります。
ハーレーのオイル交換で必要になるツールセットが販売されていますが、オイル受けの使用感はイマイチ。細長い漏斗とオイルフィルターレンチは使えるので、ギリギリ元は取れたと思いたい感じです。一応、リンクを貼っておきます。

手を洗うのが面倒なら、エンジニアグローブがオススメ。ピッタリ手にフィットして再使用も可能です。カゲ太愛用モデルはこちら。

スポーツスターのオイル&フィルター交換方法
スポーツスター(XL系 ‘04~)のエンジンオイルとフィルターの交換方法をわかりやすく解説します。手順をまとめると、以下のとおりです。
- ドレンプラグを外して古いオイルを抜く
- オイルタンクキャップを外す
- ドレンプラグを取り付ける
- オイルフィルターを取り外す
- オイルフィルターを取り付ける
- 新しいエンジンオイルを入れる|2.7L(オイル交換のみ 1.9L)
- オイル量とオイル漏れをチェックする
全行程で20分くらいで完了します。同時にプライマリーオイルも交換するなら、トータルで30~40分くらい。それぞれの工程を写真付きで詳しく解説します。
1. ドレンプラグを外して古いオイルを抜く


エンジン下部を覗くと見えるドレンプラグを外します。マイナスドライバーでホースバンド横の調整ボルトを半時計回りに回すことでバンドが広がっていきます。ドレンプラグを飛び越えられる程度まで広げて、下にスッと抜きます。
廃油処理パックを配置し、ドレンプラグをオイルが垂れるギリギリまで引き出してスタンバイ。完全に引き抜くと同時に手を横へ逃がすと、古いオイルを浴びる被害を軽減できるかも。

スポーツスターには、ドレンホースが裂けてオイルが漏れる持病があります。オイル交換前に亀裂が入っていないかチェックしておきましょう。ドレンホースの位置と交換方法についてはこちら。
2. オイルタンクキャップを外す

車体右側、シート下のオイルタンクキャップを外します。丸い部分を指で押して、ぴょこんと出てきた取っ手を持ち、反時計回りに170°ほど回します。個体差かもしれませんが、オイルタンクキャップはかなり固いので、ゴム手袋やクロスなどを使い、滑らないよう工夫してみてください。

オイルタンクキャップを外すことで、オイルの入れ忘れ対策になります。「そんなミスはしない」と思いがちですが、プロでもうっかりはあるため、作業中だというサインを残すことは大事です。
「暖気したほうがオイルが柔らかくなって排出しやすい」とされていますが、暖気はお好みで大丈夫です。暖気してもすべてのオイルは抜けず、火傷を負うリスクも高まるため、私は暖気しません。
暖気の代わりに、スポーツスターはバイクを左右に揺すると効果的です。
3. ドレンプラグを取り付ける
バイクを揺すってもドバっと出なくなったら、ドレンプラグを取り付けます。ドレンプラグをドレンホースに差し、ホースバンドを通して元の位置で締め付けます。
ホースバンドの締め付け加減は、ドレンプラグを引っ張っても抜けない程度で大丈夫です。
4. オイルフィルターを取り外す


車体左側、エンジンの前方に付いているオイルフィルターを取り外します。オイルフィルターの下に厚紙をグッと差し込み、廃油処理パックを配置。ラチェットハンドルとフィルターレンチを使って、手で回せる程度まで緩めましょう。
あとは、オイルフィルターを手で回してオイルがゆっくり流れ始めるところまで緩め、すべて流れきるまで放置。ここでオイルフィルターを急いで取り外してしまうと、オイルが溢れてしまい、クランクケースや床が大変なことになります。
厚紙の差し込み方にもコツがあります。

オイルフィルター周辺を下から覗くと謎のでっぱりがあり、市販の固いオイル受けでは奥まで差し込めません。厚紙をグッと差し込むと、形状に合わせて変形するので、オイルを垂らしてしまうリスクを回避できるわけです。
まとめると、以下の3つのポイントに気を付けると大惨事を回避できます。
- オイルフィルターの下部に厚紙をグッと差し込む
- オイルがゆっくり流れ始めるところまで手で緩める
- オイルがすべて流れきるまで放置する
5. オイルフィルターを取り付ける

オイルが流れなくなったら、古いオイルフィルターを取り外し、車体側の金属の平らな面をきれいなウエスで拭きます。新品のオイルフィルターに新しいエンジンオイルをフィルター容量の半分くらいまで入れ、ゴム部分にエンジンオイルを薄く塗りましょう。
ゴム部分へのオイル塗布は、よじれによるオイル漏れを防止するために必ず行ってください。

オイルフィルターにオイルを入れておく理由は、エンジン内にオイルを早く行き渡らせるためですが「やった方がバイクに優しそう」という気分の問題です。
オイルフィルターを取り付けます。オイルフィルターが金属面と接触してから、3/4回転ほど手で締め付けます。オイルフィルターを締め込みすぎると、よじれによるオイル漏れや、次回の交換時に外せないくらい固く締まる場合があります。
6. 新しいエンジンオイルを入れる|2.7L(オイル交換のみ 1.9L)

新しいエンジンオイルをオイル注入口から入れます。直接は入れづらいので、漏斗(ろうと)があると便利です。注意点としては、規定量の2.7Lが必ず入るとは限りません。
エンジン内に残ったオイルは、交換整備を行うたびに変わるため、一度に入れずに2/3ほど入れたら様子を見ながら行いましょう。

ある程度入ったら、バイクをまっすぐにして、オイル量を確認します。オイルタンクキャップのゲージを拭いて、元の状態まで締め込んでから取り外します。ゲージの上限と下限のメモリ内にあれば適正量です。今は下限よりやや上のベストな状態。
オイルタンクキャップを締めて、エンジンを10秒ほどかけて停め、改めて点検します。エンジンオイルが全体に周ったため、さっき点検したよりも減っている状態になっているはずです。適正量になるまで、繰り返し補充します。

エンジンオイルは、エンジンを始動すると隅々まで行き渡ります。正確にエンジンオイルの量を測るために、3分ほどアイドリングさせたのち、3分放置してから測定しましょう。
毎回行うのは面倒なので、メモリの真ん中あたりを狙っていくといい感じです。
7. オイル量とオイル漏れをチェックする
最後に、ある程度アイドリングを行い、ドレンホース、オイルフィルター周りのオイル漏れをチェックしましょう。漏れがある場合は、ホースバンドの締め忘れや、オイルフィルターが締め足らないなどのミスが考えられます。
問題なければ、エンジンを止めてエンジンオイルの最終チェックを行います。エンジンオイルの量が少ない場合は補充しましょう。これで、エンジンオイル&フィルターの交換は完了です。
お疲れさまでした。
スポーツスターのオイル&フィルター交換に関するよくある質問
スポーツスターのオイルとオイルフィルター交換に関するよくある質問についてまとめました。交換整備に入る前に、不安を解消しておきましょう!
- Q交換時期の目安は?
- A
エンジンオイルは一般的に、3,000kmまたは6か月ごとの交換が推奨されています。オイルフィルターはオイル2回交換につき1回のペースが目安です。プライマリーオイルについても、2回交換につき1回のペースが推奨されています。
走行距離や使用環境に合わせて調整しましょう。
- Q余ったオイルは次回も使える?
- A
エンジンオイルは、開封後1~2年を目安に使用すれば劣化の心配はありません。直射日光の当たらない冷暗所にて保管しましょう。
- Q自分で作業するのが不安な場合は?
- A
自分で作業するのが不安な場合は、無理せずバイクショップに相談しましょう。不必要な出費を避けるためにも、無理をしないことが大切です。
- Qオイルを入れすぎてしまった!
- A
エンジンオイルを入れすぎてしまっても策はあります。ドレンプラグを開けて下から抜くか、オイル注入口からシリンジなどを使って吸い上げれば大丈夫です。
シリンジはブレーキフルードの交換にも役立つので、持っていて損はありません。
- Qオイルフィルターの捨て方は?
- A
オイルフィルターは、分解することで自治体で捨てられる場合があります。中のろ紙は燃えるゴミ、外装などの金属は燃えないゴミや資源ゴミとして処分が可能です。
マイナスドライバーとハンマーを使えば、簡単に穴が開くので、分解は比較的に簡単です。けがに注意して行ってください。
ただし、自治体によっては回収できない地域もあります。もし自治体で処分できない場合は、ガソリンスタンドやバイク用品店への持ち込みを検討しましょう。
オイル交換で愛車のメンテナンスに挑戦しよう!
今回は、ハーレーダビッドソン スポーツスター(XL系‘04~)のエンジンオイルとオイルフィルターの交換方法を解説しました。
スポーツスターのオイル交換は、マイナスドライバーさえあれば作業できる手軽なメンテナンスです。初めて挑戦するときは不安を覚えるかもしれませんが、愛車への愛着が増すこと間違いなし!
スポーツスターのプライマリーオイル交換方法は、こちらで解説しています。
この記事が、スポスタのメンテナンスに興味を持った人の助けになれば幸いです。もし、分からないことがあれば、気軽にコメントください!
ではまた!
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