「フェリーを使ってツーリングしてみたいけど、ちょっと不安…」そう思うバイク乗りは多いのではないでしょうか?フェリーを活用すれば、普段走れないエリアにも手軽にアクセスできます。でも、分からないことが多くてハードルが高く感じてしまうのも事実です。
そこでこの記事では、ツーリングに取り入れたくなるフェリーの魅力と、失敗しないための注意点を解説します。長時間の船旅でも快適に過ごすコツもご紹介!

初めてフェリーを利用したときは不安だらけだったけど、今では長距離ツーリングにフェリーが欠かせません!
バイク×フェリーの魅力5選!

フェリーの魅力を知れば「利用してみたい!」と思うはず!ということで、バイク×フェリーの魅力を5つ集めました。
ツーリングのエリアが広がる
フェリーは、ツーリングのエリアをグッと広げてくれます。ツーリングでは、知らない道やスポットを楽しむことが醍醐味の一つ。でも、長くバイクに乗っていると、知らない道やスポットはどんどん無くなっていきます。
フェリーを活用することで、新しい出会いが待つ場所まで運んでくれます。普段は訪れられない遠い場所や、橋がつながっていない離島などへ行くには、フェリーが欠かせません。フェリーに乗るだけで刺激を感じられるので、マンネリ気味のライダーにもオススメです。
実は経済的である
フェリーなら、長距離ツーリングの交通費を節約できることがあります。長距離移動では、高速道路の料金やガソリン代がかさみがちです。走行距離が伸びるほど消耗する、エンジンオイルやタイヤ、ブレーキパッドなどの交換費用も忘れてはいけません。
しかし、フェリーを利用すれば、さまざまなコストを抑えられるので、実は経済的です。比較として、大阪市内から福岡県北九州市までの移動コストを調べてみました。
フェリーを使った場合:12,410円~
(Web予約割引・所要時間 12時間30分|名門大洋フェリー調べ)
高速道路を使った場合:16,296円~
(ETC料金・燃費20km/Ⅼ・所要時間 6時間13分|NAVITIME調べ)
大阪南港と北九州門司港を結んでいる名門大洋フェリーは、いつでもお得なWeb割引のほかにも、バイク向けプランの「ぶんぶんフェリー」を活用するとさらにお得!
自走の場合、出発した時間によっては宿泊が必要になるため、トータルの出費を考えるとフェリーのほうが断然お得です。
体力を温存できる

フェリーなら、長距離移動でも体力を温存できるどころか、体力の回復が可能です。バイクで長距離を走ると、体力をグングン消耗します。特に、高速道路では、風圧や振動で疲れがたまるので、目的地に到着しても疲れ切ってしまってツーリングを楽しめません。
しかし、フェリーを利用すれば、移動中にしっかり休息が取れて、到着後すぐにバイクを楽しめます。大阪から北九州まで自走した場合、走行距離は528.2kmです。寄り道しながら時間をかけて楽しむならまだしも、移動のためだけに長距離を走るのは辛すぎる!
フェリーを使えば乗船してボーっとしているだけで到着するのでツーリングに体力を全振りできます。

一般的に、ツーリングで1日に走る快適な距離は300km前後といわれています。長期ツーリングでは走り過ぎると翌日に響くことも。。。
船内が楽しい
フェリーの船内は、快適に過ごせるような設備が多いです。長時間の船旅でも、リラックスしながら楽しめる空間が広がっています。
甲板に出てみたり、船上グルメを楽しんでみたり、売店を覗いてみたり楽しめる要素がいっぱいです。長距離フェリーなら、大浴場やシアタールーム、カラオケやゲームセンターなどの娯楽施設も充実しています。
フェリーは、単なる移動手段ではなく、移動時間も旅の一部として楽めます。
旅感を演出してくれる

フェリーに乗るだけで、旅感を演出してくれることが一番の魅力です。フェリーでは、乗船から下船まで非日常的な空間が待っています。窓に目をやれば大海原が広がり、甲板に出れば海風や波の音が気持ちいい。航路によっては朝日や夕日を望め、橋や灯台を普段とは違う角度から眺めることもできます。
運が良ければ、僚船とのすれ違いに立ち会えます。大きなフェリーがどんどん近づき、乗客同士が手を振り合う光景はちょっと感動的です。
そして下船時はワクワクの最高潮!さぁツーリングの始まりだ!!
フェリーを利用するときの注意点

とても便利で魅力的なフェリーですが、気をつけなければならない点があります。最悪、フェリーに乗れなかったり船内でひどい目に合ったりするので、ぜひ参考にしてください。
ハイシーズンは空きがない
フェリーには乗船台数に限りがあり、ハイシーズンは予約なしでは乗れないことが多いです。ゴールデンウィークや盆休みなどの連休シーズンは、バイクやクルマの利用者が増え、予約が埋まりやすい傾向があります。
特に、バイクの積載台数は限りがあるため、予約が遅れるとフェリーに乗れない可能性が高いです。予約の受付が始まったら、すぐに押さえましょう。フェリーの予約は3か月先までで、ツーリングシーズンの予約はすぐに埋まります。
お盆期間中の関西~四国・九州間のフェリーは数週間で満席になることが多く、当日に乗れる保証はほぼありません。北海道行きのフェリーも、ツーリングシーズンは予約がすぐに埋まってしまいます。
ハイシーズンでは早めの予約が必須です。事前に公式サイトで受付状況を確認し、受付の始まりに合わせて予約を行いましょう。
また、短距離フェリーは先着順になり、予約できないことが多いです。次の便まで港で待ちぼうけなんてこともあります。ツーリングで短距離フェリーを使う際は、余裕をもった計画を立てましょう。
90分前には待機する
フェリーは乗用車やバイク以外にもたくさんの貨物を運びます。積み込みには時間がかかるため、正確な乗船時間がわかりません。いつ乗船が始まってもいいように、事前に受付を済ませて待機するようにしましょう。
フェリー会社によって待機時間はさまざまですが、経験上90分前が多いです。たまに、2時間前の待機が必要だったり、拍子抜けするくらいスッと乗船できたりする場合もあります。待機時間は事前に公式サイトで確認をしておくとスムーズに乗船できます。
車検証、登録証はすぐに出せるようにする
フェリーの乗船前に、受付で車検証または登録証(標識交付証明書)を提示する必要があります。車検証をシート下に収納している人は要注意です!
長期ツーリングではシートバッグを使うことが多く、シートを外すために荷物を下ろさなければいけません。乗船時間は突然アナウンスされるので、スムーズに受付ができるよう準備しておきましょう。
海上は圏外になる
フェリーは陸から遠く離れるので電波が届きません。Wi-Fiが利用できるフェリーもありますが、回線が不安定だったり、遅かったりします。船内で手持ち無沙汰にならないよう、暇つぶし用のアイテムを準備しておきましょう。
個人的にオススメなのは、AmazonプライムビデオやNETFLIXなどのダウンロード視聴です。事前にダウンロードしておけば、電波状況に関わらず映画やアニメを楽しめます。ただし、船はよく揺れるので、集中しすぎると寄ってしまうかもしれません。特に、読書は要注意です。
航路や天候によっては揺れが激しい
フェリーの航路や天候によって、船体が大きく揺れる場合があります。瀬戸内海を進む航路は、年中おだやかで、揺れは優しいです。でも、日本海と太平洋は台風時期と冬は大きく揺れます。船酔い対策に酔い止めがあると安心です。
酔い止めはフェリーターミナルや船内の売店で取り扱っています。たまに、売店に酔い止めがない場合もあるので、事前に購入しておく方が無難です。
もし、酔い止めが手に入らなかった場合は、アイスを食べることで気分が楽になることがあります。また、フェリーの中で揺れが少ないとされる下階の後方の部屋を選ぶのもオススメです。
車両デッキの場所を確認する

フェリー内は迷いやすいので、乗船時に車両デッキの場所を確認しておきましょう。長距離フェリーは、全長が200mを越え6階建ての巨大な建造物です。車両デッキへの入り口は何か所もあるので、下船時に迷子になる場合があります。
車両デッキの客室入口に「車両デッキ確認カード」が設置されている場合は、念のために取っておきましょう。何食わぬ顔で他のライダーさんについて行くのもアリです。

フェリー内で快適に過ごすコツ

10回以上フェリーを利用してきたカゲモトが、フェリー内で快適に過ごすためのコツをご紹介します。乗船前に目を通して、優雅な船旅を楽しみましょう。
船内で使う手荷物は別に分けておく
船内で使うものは、荷物を分けて別に準備しておくと便利です。乗船時間が長い場合、客室へいろいろ持ち込みたくなります。乗船後に車両デッキで船内用の荷物を準備をすると、うっかり忘れ物をしてしまうかも。でも、運航中は車両デッキへは立ち入りできません。
船内用の荷物を分けて準備することで、スムーズにチェックインができ、すぐに快適な船旅を楽しめます。船内用の荷物は、脱着式のバックパックがオススメです。シートバッグ上部に固定しておけば、チェックインが楽々!
最近のお気に入りはDAYTONAの2WAYシートバッグです。バイクにしっかり固定できるのに、最短3秒で取り外せます。
船内用の荷物を工夫する
船内用の荷物を工夫すると、さらに船旅が快適です。そこで、カゲモトが長距離フェリーに持ちこんでいる荷物をご紹介します!ぜひ、参考にしてください。
リラックスできる服 | スリッパ(サンダル) | 充電器 |
替えのインナー | コップ | イヤホン |
お風呂セット | 食べ物 | 酔い止め |
歯磨きセット | 飲み物 | エコバッグ |
「リラックスできる服」は普段着と寝間着の間くらいのものを選ぶと便利です。ツーリング中に服が足らなくなったときに代用できます。カゲモトはパーカーとイージーパンツを愛用しています。
スリッパやバスタオル、歯ブラシは個室なら準備されているので省くことも可能です。ずっと靴を履いていると疲れるので、使い捨てスリッパがあると快適。サンダルを持ち込むと、船内散策もはかどります。
船内のレストランは魅力的ですが、営業時間に注意してください。レストランは1時間ほどしか営業しておらず、売店も夜は閉まってしまいます。利用を逃すとフェリー内で途方に暮れてしまうかも。。。食べ物や飲み物を持ち込めば、好きなタイミングで食べられ、ひもじい思いも避けられます。
プロムナードを有効に使う
フェリーに乗ったらプロムナードを有効に使いましょう。ほとんどの客室は寝るための設備しかありません。せっかく非日常的な空間が広がっているのに、部屋に閉じこもっているのもモッタイナイ!
プロムナードには、ゆったりとしたソファー席やカウンター席が設置されています。座り心地のいい座席から、窓越しに広がる大海原を眺められます。飲食スペースもあるので、仲間と集まって食事を楽しむことも可能です。
プロムナードを活用することで、船旅を満喫しながら快適に過ごせます。
船酔い対策を忘れずに

船酔い対策を忘れずに準備しましょう。体調によって、普段なら大丈夫でも酔うことがあります。お守り代わりに、酔い止めを準備しておくと安心です。酔い止めを持っているだけで酔わない人もいます。船酔いしてしまったとき、どうすれば楽になるか知っておくことも大切です。
アイスを食べたり、ツボを押したり、甲板に出て風に当たったりなど、自分に合った船酔い対策を探してみましょう。個人的に、もっとも効果的な船酔い対策は「私は酔わない」と思い込むか、船酔いの存在を忘れることです。船酔いする原因の中には、心理的な不安もあります。
船酔い対策を行った後は、船酔いを意識しすぎないようにしましょう。

ちなみに船酔いに効くツボは、手首から肘方向へ指三本分進んだ中心あたりじゃ。挟み込むようにグッと強く押すと楽になるぞ!
騒音対策も大事
フェリーはエンジン音や波の音がよく聞こえます。個室を選んでも壁は薄く、防音性は皆無です。エンジン音以外にも人の話し声や寝息など・・・気にしはじめると止まらなくなるので耳栓を準備しておきましょう。
ただし、船内アナウンスに注意が必要です。売店やレストラン、大浴場の営業案内など、大事な情報が流れてきます。強力すぎる耳栓は避けてください。

最後に さぁ旅に出かけよう!

今回は、ツーリングに取り入れたくなるフェリーの魅力を熱く語りました。フェリーに慣れないうちは「予約が面倒」「運賃の見方がよくわからない」「長時間乗るのが不安」と感じるかもしれません。
何度か乗ってみれば、フェリーが病みつきになり、どんどんツーリングに活用したくなるはずです。私たちも、長距離フェリーはもちろん、ローカルフェリーも活用してツーリングを楽しんでいます。
フェリーを使えば、普段と一味も二味も違うツーリングになることは間違いありません!ぜひフェリーを使って旅を楽しみましょう!
ではまた!
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