- チェーンメンテってめんどくさい
- シールチェーンならメンテナンスは不要?
- 楽にできるチェーンメンテを教えて!
チェーンメンテは汚れるし面倒で、ついサボりがち。でも、でも放置するとチェーンがサビつき、動きが重くなり、チェーンだけでなくスプロケットの寿命まで縮めます。
しかし、たった10分のメンテナンスを行うだけで、チェーンもスプロケットも長持ちし、結果的にコストを抑えることが可能です。
そこでこの記事では、チェーンメンテの必要性とオススメのアイテム、簡単なチェーンメンテのやり方を解説します。さらに、オイルの選び方やメンテの頻度など、よくある質問もまとめました。

初心者でも簡単にできるチェーンメンテを画像たっぷりでお届けします。
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👉【保存版】オイル交換は自分でできる?メリットから手順まで徹底解説
チェーンメンテナンスってやる意味あるの?

あなたは定期的にチェーンメンテナンスしてますか?
手はオイルで汚れるし、がんばってメンテしてもホイールに飛び散る。バイクの押し引きが軽くなったような気がするような、しないような・・・そんな経験はありませんか。

シールチェーンは注油しても意味ないって聞いたことあるし、できればやりたくない!
チェーンメンテナンスって必要なんでしょうか?
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結論:見た目・性能・コスト、すべてにメリットがある

チェーンメンテナンスを怠ると、見た目のサビだけでなく、走行性能や燃費、安全性にまで影響が出ます。実際にどんなリスクがあるのか、一覧にまとめました。
サボったときの影響 | 主な症状 |
---|---|
運動性能の低下 | スロットル操作への反応が遅れる 走行中に騒音が発生する |
寿命の短縮 | チェーンの摩耗が早く進む スプロケット(前後の歯車)に負担がかかる |
安全性のリスク | チェーンが外れて走行不能になる |
コスト面のリスク | 燃費が悪化し維持費がかさむ 早期交換や部品破損で修理費用が高額になる |
チェーンは丈夫なので、切れることは基本的にありませんが、各部の摩耗が進むことで、チェーンが伸びてしまいます。チェーンが伸びたまま放置すると、スロットルを開けても駆動がすぐに伝わらず、操作と加速の間にワンテンポ遅れが出るようになります。
結果として加減速がギクシャクし、燃費の悪化やスプロケットの寿命短縮にもつながるため、チェーンメンテは想像以上に重要です。

少しの手入れで操作感と性能を取り戻せるため、初心者からベテランまで、やる価値があるといえます。
シールチェーンに注油は不要では?

シールチェーンにも注油は必要です。各接続部分にグリスが封入されていますが、外部のシールやプレートは走行中に摩耗や劣化が進みます。
注油をすることでシールの柔軟性を保ち、サビやゴミの付着を防ぐ役割を果たします。「注油できないから意味がない」と考えるのは誤解で、外部の保護こそがメンテナンスの目的。チェーンメンテによって、チェーン全体の寿命が延び、スムーズな動きも維持されます。

メンテナンスをサボりすぎると、せっかくのシールもボロボロになってしまいます(実体験)。
チェーンオイルの種類や選び方、頻度はチェーンメンテのFAQでまとめています。
チェーンメンテナンスにオススメのアイテム

少しでも楽にメンテナンスができるようなアイテムをご紹介します。簡単にきれいになれば「メンテナンスしてやろうか」って気が起きるはず!
チェーンクリーナー|AZ バイク用チェーンディグリーザー

愛用しているチェーンクリーナーは「AZ チェーンディグリーザー」です。頑固な油汚れも強力に洗浄し、防錆剤が配合されているので、サビも防げます。
頑固な汚れでも、奥までしっかり浸透するので、軽くこすって水で洗い流せば、チェーンはピッカピカ!もちろん、シールチェーンにも使用できます。
ただし、強力すぎるのでアルマイト加工されたパーツやホイール、塗装面にかからないように注意が必要です。

ちなみに、ディグリーザーとは脱脂洗浄剤という意味じゃ!
水が使えない環境なら「AZ パワーゾルスプレー」

「AZ パワーゾルスプレー」は遅乾タイプで、浸透して汚れをじっくり分解するのに、洗い流す必要がありません。ステンレスノズルを操作することで、噴射範囲をワイドとスポットに切り替えも可能です。
さらに、逆さ噴射にも対応し、どの向きからでも吹けるので、チェーンメンテがはかどります。太っ腹のブラシ付き!
チェーンオイル|AZ バイクレース用チェーンルブ

「AZ チェーンルブ」はウエットタイプなので、浸透性が高く伸びもよくて注油しやすいオイルです。チェーンが白くならないため、ゴールドチェーンやカラーチェーンに最適です。
ロングライフの名の通り、ウェットタイプなのに耐久性が高く、500km以上の長持ちを実現しています。バイクレース用と書かれていますが、AZによると「レースの使用にも十分に耐えられるハイスペックオイル」ということで、公道でも使用可能です。
チェーンブラシ|3面ブラシ

チェーンブラシは、よく見るタイプの3面ブラシを使っています。どの商品も似たり寄ったりなので、好きなものを購入するか、セット売りを狙いましょう。
ウエス|メリヤスウエス

清掃時は布でも紙でも良いですが、注油後の拭き上げは布がオススメです。紙で拭き上げると、ボロボロになったくずがチェーンに付着し、除去するのに手間がかかってしまいます。
着なくなった古い肌着を、適当なサイズに切って使用すると再利用できて、断捨離もはかどります。中古生地を漂白洗浄してカットした商品も安くあるので、多く使用する場合は買ってしまいましょう。
メンテナンススタンド|J-Trip ショートローラースタンド

センタースタンドがないバイクのチェーンメンテナンスは、バイクを少しずつ動かしながらの作業になるのでけっこう面倒。
メンテナンススタンドがあれば、さまざまなメンテナンスの作業性が向上するのでオススメです。
メンテナンススタンドを買うなら、やっぱりJ-Trip!値は張りますが、安い類似品は強度もリフトアップのしやすさも劣るので、せっかく買うならJ-Tripで間違いありません。

過去に5,000円くらいの商品を購入しましたが、フニャフニャして強度に難ありでした。
受け金具は別売りなので、愛車に合う形状を選びましょう。私は汎用性の高いL受けを購入しました。

チェーンメンテナンスだけでJ-Tripは手が出せない。。。そんなライダーさんにオススメしたいアイテムが2つあります。
リーズナブルなスタンド|ローラースタンド

ローラースタンドは、ローラーが二つ付いたスロープのような形状で、乗り上げれば手でタイヤを回せます。フロントタイヤにも使用できるので、ホイールの掃除にも役立つアイテムです。
でも、ローラーの上に乗っているだけなので、タイヤを回すのにちょっと力が必要になります。そして、ブロック系のタイヤはうまく回らないので不向きですローラースタンドの強度を出すために、重量が1.7kgあり、持ち運びがしづらい点もネック。
お求めやすい価格設定が最大の魅力です。

コンパクトなスタンド|unit スイングアームリフトスタンド


「unit スイングアームリフトスタンド」は、サイドスタンドと併用してリヤタイヤを持ち上げられます。使わない時は、手のひらに収まるほどコンパクトで、重量も0.8kgと軽い!組み立ては手でねじを締め直すだけなので、10秒もかかりません。

リフトアップ時はちょっと不安定なので、作業中は注意することと、地面がツルツルだと、滑ってうまく上がらない場合があります。

unit スイングアームリフトスタンドは、以下の4ステップで簡単にリフトアップできます。
- 底部ゴムパーツを回して高さを調整する
- タイヤの横に接地させる
- L型のアームをスイングアームの平らな部分にあてる
- レバーをグイッと押し下げる
あまり高く上げすぎるとバランスが悪いので、底部ゴムパーツを回して調整します。長さが短くてタイヤが浮かなかったときも、同様に底部ゴムパーツで調整。空いた手でバイクを押し上げるようにアシストすれば、軽い力でリフトアップできます。
バイクを下ろすときは逆の手順で、ゆっくり行いましょう。

unit スイングアームリフトスタンドを使えば、タイヤを手軽に浮かせられ、チェーンメンテナンスも楽々!持ち運びしやすく、場所を選ばずリフトアップできるので、長期ツーリングでは良き相棒です。

「もっと快適にツーリングしたい!」と思っている方は、こちらの記事もチェックしてください。
👉 バイクライフが快適になる便利アイテムまとめ
チェーンメンテナンスのやり方を解説
初心者でも簡単にできる、チェーンメンテナンスのやり方を解説します。コツや注意点もまとめているので、チャレンジする前にチェックしてみてください。
作業時間は、注油のみで10分、洗浄もするなら30分くらいで完了します。それぞれの工程を写真付きで詳しく解説します。
1. チェーンカバーを外してタイヤを浮かせる

まずは、チェーンメンテナンスの邪魔になりそうな、チェーンカバーなどの部品を取り外します。カバーを付けたままでも作業できる場合は、外さなくてもオッケーです。
ただ、遠回りをした方が結果的に早く終わることもあるので、試しに外してみるのもいいかも知れません。チェーンカバーを外したら、メンテナンススタンドを使用して、リヤタイヤを浮かせます。
「J-Trip ショートローラースタンド」は安定感がバツグンで、一度体験すると手放せません。耐荷重は300kgもあるため、リフトアップしたまま跨れたり、ハーレーにも使えたりします。

2. チェーンに洗浄スプレーを吹きかける

チェーン全体に洗浄スプレーを吹きかけ、汚れを浮かせます。チェーンを送るときは、リヤタイヤを反時計回りに回すと、指の巻き込み事故を防げて安全です。
「AZ チェーンディグリーザー」は、ノズルの黒い部分を回すだけでワイド/スポットに切り替え可能。ワイドでチェーン全体に、スポットで頑固な汚れをピンポイントに攻められて便利です。

洗浄力が強力すぎるので、金属や塗装を傷めないように、不用な段ボールなどで養生しましょう。まんべんなく吹きかけたら、洗剤が浸透するまでしばらく待ちます。

2分も待てば、十分に油汚れが浮き上がってきているはず。
3. チェーンをブラシでこする

3面ブラシを使い、チェーン全体をこすって、油汚れを落とします。勢いよくこすると、シールを傷めたり、洗剤や油が飛んできたりするので、優しさが大切です。
チェーンをこするときは、外側プレート→内側プレート→ローラーの順に進めると、こすり残しを防げます。
細かい部分はロングブラシで、シュッシュと払ったり、ツンツンと突いたりして、汚れを追い出すような感じで行ってみてください。
4. 洗い流して乾燥させる

ブラシでこすり終えたら、水でしっかり洗い流しましょう。チェーンメンテをサボっていると、まるで墨汁のような液体が出てきます。
まだ汚れが残っている場合は、手順2に戻って気になる場所を清掃します。画像で見てもらったら分かる通り、1回でかなりピカピカです。
清掃に満足したら、ウエスで水分を拭き取り10~30分は放置して、チェーンを乾燥させます。濡れたままで注油すると、水に弾かれてオイルがうまく浸透せず、サビる原因になります。
私は5分も待たずにオイルを差しますが、マメにチェーンメンテするおかげか、サビたことはありません。

心配なライダーさんは水を追い出せる水置換タイプがオススメです。耐久性はやや劣ります。

5. チェーンに注油する

乾燥させたチェーンに、チェーンオイルを差します。どこまでオイルを差したか分からなくなるので、カシメやプレートの刻印などを見つけて、スタート地点を決めておくとスムーズです。

プレートの刻印は1か所ではないので気を付けてください。

チェーンオイルはプレートの間(イラストの赤丸部分)を狙って差していきます。1か所につき1滴を置いていくような感じで、コツコツと進めます。
油が垂れることがあるので段ボールを敷いておくと後片付けが楽です。注油の際も、リヤタイヤを反時計回りに回してチェーンを送ることで、巻き込み事故を防げます。
全体にオイルを差し終えたら、何回かタイヤを回してオイルをなじませ、ウエスで余分な油を拭きとります。拭き取る際に、ウエスでプレートの外側や内側にオイルを伸ばすように薄く塗っておくと、プレートの防錆にもなって一石二鳥です。外した部品があれば、元に戻してメンテナンスは完了!
お疲れさまでした。
今回、チェーンメンテを行ったビフォーアフターがこちら。


プレートに浮いたサビは取り切れませんでしたが、作業前と比べるときれいになりました。タイヤを手で回したときの動きも軽やかです。

清掃系はどれも面倒ですが、すがすがしい気分になりますね。
チェーンメンテナンスに関するよくある質問(FAQ)
チェーンメンテナンスに関するよくある質問についてまとめました。
- Qチェーンオイルの選び方は?
- A
チェーンオイルには「ウェットタイプ」「ドライタイプ」「セミウェット/セミドライ」があり、以下の特徴があります。
タイプ ウェット ドライ セミウェット/
セミドライ耐久性 短め 長持ち 良い 飛散の少なさ 多い 少ない やや多い 洗浄しやすさ 落ちやすい 落ちにくい やや落ちる 注油しやすさ 扱いやすい 扱いづらい 扱いづらい マメにメンテナンスを行うなら「ウェット」、手軽さを重視するなら「ドライ」を選びましょう。「セミウェット/セミドライ」はメーカーによって特徴が異なるので、いろいろ試してみるのも楽しいです。
オススメは、セミウェットタイプの「WAKO’S(ワコーズ) CHL チェーンルブ」。水置換のため、いつでも手軽にシュシュッと注油できます。スプレータイプは、周りを汚しやすいので注意しましょう。
- Qチェーンのメンテナンス頻度は?
- A
一般的には500kmごと、もしくは雨天走行後に注油するのが目安です。放置すると摩耗やサビで寿命が縮みます。
「日帰りツーリングを2回したらメンテナンス」と覚えておけば、忘れなくてすみそうです。
- Q雨の日や長距離ツーリング後はどうすべき?
- A
雨天走行後はチェーンの油膜が流れ落ち、サビが発生しやすくなります。できるだけ、早く乾燥させて注油を行いましょう。長距離ツーリング後も同様で、汚れを落とし新しいオイルを差すことで摩耗や劣化を防ぎ、寿命を延ばせます。
- Qチェーンの寿命はどれくらい?
- A
シールチェーンは15,000~20,000km、ノンシールチェーンは5,000km前後が目安です。どちらのチェーンも、5年以上使用したものは交換が推奨されています。
純正のチェーンは、グレードが低いチェーンが使用されていることが多いので、寿命がさらに短い場合があります。
そのほか、以下が当てはまっていたら、早めに交換しましょう。
- チェーンに変な癖がついている
- サビがひどい
- チェーン調整ができないほど伸びている
- シールがちぎれている
- Qチェーンのサビは落としたら使える?それとも交換?
- A
軽度のサビなら清掃と注油で使用可能ですが、深刻なサビや固着がある場合は寿命が大幅に縮みます。特に、コマの動きが悪くなったり、シールが傷んだりしている場合は、安全面でリスクが高いため、交換したほうが安心です。
チェーンメンテナンスをしても、良くならない場合は交換を検討しましょう。
- Qチェーン交換は自分でできる?
- A
工具や知識があれば自分で交換は可能です。でも、カシメやチェーン調整を誤ると走行中に外れる危険があります。自分で作業するのが不安な場合は、無理せずバイクショップに相談しましょう。
DIYに挑戦する場合は専用工具を揃え、正しい手順を守りましょう。
誰が言ったかチェーンの汚れは心の汚れ
チェーンメンテナンスにデメリットはありません。チェーンやスプロケットの寿命を延ばし、燃費の向上させるなど、メリットが豊富です。
チェーンが汚いだけで、大事な愛車が「放置バイク?」って思われてしまうととっても悲しい。いや、部分的には間違ってはいないんですが。。。
チェーンがキラッと光っていれば、カッコよさは倍増します。慣れてしまえば、ツーリング前にサッとできるほど簡単なので、ぜひチャレンジしてみてください。私もマメに頑張っていこうと思います。
ではまた!
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