【2025年版】モペットと電動キックボードの違いとは？必要な免許や走行ルールを徹底解説

電動モビリティを選ぶ際、モペットと電動キックボードで「結局どっちが良いの？」と迷ってしまう人は少なくありません。それぞれにメリットやルールの違いがあるため、利用目的によって最適な選び方が変わります。

解決のカギは、利用目的や移動距離といったライフスタイルに合わせて選択することです。

そこでこの記事では、16歳からバイクに乗り続けてきた経験をもとに、モペットや電動キックボードの違いをわかりやすく比較しながら、失敗しない選び方を解説します。

【比較表あり】モペットと電動キックボードの違いと交通ルール

モペットと電動キックボードは、コンパクトさや手軽さから混同されやすい乗り物です。しかし、法律上の扱いや交通ルールには明確な違いがあります。

特に、2023年7月の道路交通法改正によって、電動キックボードの利用が広がり、モペットとの区別があいまいになりがちです。

ここでは、比較表を交えながら、両者の特徴とルールを整理して解説します。

モペットと電動キックボードの比較表

交通ルールがややこしい電動モビリティを安全で快適に活用するために、各電動モビリティの比較表を作成しました。

利用条件
	電動キックボード		モペット
車両区分	特例特定小型 原動機付自転車	特定小型 原動機付自転車	原動機付自転車
免許	不要	不要	必要
年齢制限	16歳以上	16歳以上	16歳以上
ヘルメット	努力義務	努力義務	必要

走行ルール
	電動キックボード		モペット
制限速度	6km/h	20km/h	30km/h
歩道での走行	例外的に可能	車道のみ	車道のみ
自転車道 自転車専用道路	可能	可能	不可
右折方法	二段階右折	二段階右折	二段階右折
一方通行の逆走	可能 (道路標識を確認)	可能 (道路標識を確認)	不可
進入禁止路の走行	可能 (道路標識を確認)	可能 (道路標識を確認)	不可
私有地の走行	可能	可能	可能

登録・義務
	電動キックボード		モペット
ナンバープレート	必要	必要	必要
自賠責保険	¥6,650～	¥6,650～	¥6,910～
税金	\2,000	\2,000	\2,000
保安部品 (公道走行時)	ブレーキ ヘッドライト ベル(クラクション) 後部反射器 ブレーキランプ ウインカー	ブレーキ ヘッドライト ベル(クラクション) 後部反射器 ブレーキランプ ウインカー	ブレーキ ヘッドライト ベル(クラクション) 後部反射器 ブレーキランプ ウインカー バックミラー

制限速度と法的な位置づけの違い

モペットと電動キックボードは、見た目は似ていますが、基本スペックや法的な分類に大きな差があります。まず、モペットはペダル付きの小型原動機付自転車として扱われ、制限速度は30km/hに限定されます。

一方、電動キックボードには3つのタイプがあり、簡単にまとめると、以下のとおりです。

法的な位置づけとしては、電動キックボードは新しい枠組みで規制が緩和されていますが、モペットは従来の原付バイクと同等の扱いを受ける点が特徴です。

免許・ヘルメット・ナンバープレートの有無

モペットは原付免許以上が必須で、ヘルメットの着用とナンバープレートの取得登録も義務付けられているなど、原付バイクと同じ扱いを受けます。

一方で電動キックボードは、一部条件が緩和されており、16歳以上であれば免許不要で運転できる「特定小型原動機付自転車」という区分があります。ナンバープレートは必要ですが、ヘルメットは努力義務です。

電動モビリティの新しい交通ルールによって、導入のハードルが大きく下がり、街中で気軽に使える手段として、普及が進んでいます。

走行できる場所（車道・歩道・自転車道）の違い

モペットが走行できる場所は、車道に限らています。自転車道や歩道の利用は認められておらず、原付バイクと同じ交通ルールを守らなければなりません。そのため、比較的交通量の多い道路や幹線道路を利用するシーンが多くなります。

電動キックボードは基本的に車道を走行しますが、特定小型原動機付自転車に該当していれば、自転車専用道や、例外的に歩道の走行が可能です。

同じ電動モビリティであっても「車両区分」によって走行ルールが大きく変わる点が重要です。モペットは常に車道のみ、電動キックボードは車両区分に応じて選択肢が広がるため、利用シーンを考慮して選びましょう。

利用シーン別の向き・不向き

モペットは、中距離の移動や交通量の多い道路を使う通勤・通学に適しています。原付バイクと同じ交通ルールが適用されるため、安定した速度で走行でき、日常の足として利用しやすいのが強みです。

ただし、免許取得やヘルメットが必要で、準備の負担は大きくなります。

一方で、電動キックボードは、短距離の移動や都市部での買い物、観光などに適したモビリティです。自転車道を走れるため、渋滞を避けやすく、免許不要で利用できるモデルなら手軽に導入できます。

しかし、パワーと最高速度が抑えられているため、遠距離の移動や坂道の多い環境には不向きです。利用目的を整理して、最適な電動モビリティを選びましょう。

モペットに必要な免許とルール

モペットは見た目こそ自転車に近い形状ですが、法的には原動機付自転車に分類されます。見た目やサイズだけで判断すると違反につながるため、ルールを正しく理解しておきましょう。

原付免許で乗れる

モペットは原動機付自転車に区分されるため、乗車には運転免許が不可欠です。必要な免許は、モータ出力が0.6kw(600w)以下の場合、原付免許または普通自動車免許を取得していれば運転できます。

原付バイクと同じ扱いになるため、無免許運転は違反です。免許を取得していない状態で公道を走行すると、反則金や罰則が科されるだけでなく、自賠責保険も無効となるため事故時の補償も受けられません。

見た目が軽快でも法的には「原付バイク」と同じであることを理解し、必ず有効な免許を所持した上で利用しましょう。

車道走行が必須で最高速度も制限あり

モペットは自転車のように見えても、法的には原付バイクと同じ扱いになるため車道を走行しなければなりません。歩道の走行は禁止されており、最高速度も30km/hに制限されています。

モペットで起こしやすい反則行為についての、反則金と点数は以下のとおりです。

反則行為の種類	反則金	点数
制限速度違反	6,000円～	1点～
二段階右折違反 (交差点右左折方法違反)	6,000円	1点
ヘルメット着用義務違反	–	1点
無免許運転	無所持　50万円以下の罰金 不携帯　3,000円	25点 –
定員違反	5,000円	1点

運転免許の違反点数は、過去3年間の累積点数が6点以上で30日間の免許停止、15点以上で免許取消となります。

また、モペットは交通量の多い道路を走る場面も多いため、車間距離をしっかり確保し、割り込み車両への注意も欠かせません。無理な走行は事故のリスクを高めるため、基本的なルールを守って安全に走ることを意識しましょう。

ナンバープレート・自賠責保険が必須

モペットを公道で使用するには、車両登録を行いナンバープレートを取得する必要があります。加えて、自賠責保険への加入も義務付けられています。自賠責保険への加入は、事故発生時に被害者を救済するための最低限の保障制度です。

ナンバープレートがない状態での走行や、保険未加入での利用は違法行為に該当し、罰則の対象となります。また、任意保険に加入すればさらに安心して利用できます。

任意保険は補償内容や保険料が会社ごとに異なるため、比較して選ぶことが重要です。複数社を一度に確認できる一括見積もりサービスを活用すれば、自分に合ったプランを効率よく探せます。

自転車に似た形であっても、法的には「原付バイク」と同じ扱いを受けるため、必要な登録と保険加入を済ませて初めて合法的に走行できます。

電動キックボードに必要な免許とルール

電動キックボードは、車両区分によって必要な免許や走行可能な場所が異なります。

16歳以上なら免許不要で乗れる「特定小型原付」

電動キックボードの中でも、車体のサイズや構造が基準を満たしているものは「特定小型原動機付自転車」に分類され、16歳以上であれば運転免許は必要ありません。

新しい車両区分によって、高校生や免許を持たない人でも利用できるため、ぐっと身近になりました。ただし、免許がいらないからといって、完全に自由というわけではありません。

区分上は「原付」の一種なので、ヘルメットの着用努力義務や交通ルールを守ることは大切です。正しいルールを意識して走ることで、安全に楽しむことができます。

自転車道・車道・歩道の走行条件

特定小型原動機付自転車に該当する電動キックボードは、車道だけでなく自転車専用道を走行できる点が特徴です。さらに、最高速度が時速6kmに制御されるモードを搭載している場合は、歩道を通行することも例外的に認められています。

電動キックボードは、街中で便利に使える反面、交通ルールを正しく理解していないと事故や違反につながります。

電動キックボードで起こしやすい反則行為についての、反則金と点数は以下のとおりです。

反則行為の種類	反則金	点数
歩道走行違反 (通行区分違反)	6,000円	2点
信号無視	6,000円	2点
一時不停止違反	5,000円	2点
スマホ使用違反	12,000円	3点
酒酔い運転	100万円以下の罰金	35点

もし、3年以内に2回以上の違反行為をして検挙されると、運転者講習の受講を命じられます。講習時間は3時間で、ビデオ視聴やテストがあり、受講料6,000円の支払いが求められます。

安全で便利に利用するために、車両区分と交通ルールを、あらかじめ確認しておくことが大切です。

ナンバー・保険・ライトなどの装備義務

電動キックボードを公道で利用する場合は、ナンバープレートの取得と自賠責保険の加入が義務付けられています。さらに、夜に走るときに必要なライト(前照灯・尾灯)や、ウインカー(方向指示器)といった安全のための装備も欠かせません。

基準を満たさない車両は公道走行が認められず、違反すると取り締まりの対象になります。便利さだけに注目せず、車両の登録と装備を整えることが利用者の責任であり、安心して走行するためのポイントです。

モペットと電動キックボードどっちを選ぶ？用途別オススメ

モペットと電動キックボードは、どちらもコンパクトで手軽に使える乗り物ですが、用途によって向き不向きがあります。ここでは、目的ごとにオススメのタイプを紹介します。

通勤・通学で毎日使いたいならモペット

通勤や通学のように毎日決まった距離を走るなら、モペットが向いています。最高速度が30km/hまで出せるため、目的地に早く到着できます。

また、もしバッテリーが切れても、自転車のように漕いで走れるため、途中で立ち往生する心配がありません。

短距離移動や買い物には電動キックボード

自宅から駅までの数分や、近所の買い物など、短距離の移動が中心なら電動キックボードが活躍します。モペットと比べて車体が軽く、小回りが利くため、混雑した街中や狭い道でも扱いやすいのが特徴です。

折りたたむと持ち運べるほどコンパクトになるモデルもあり、駐車場所や保管場所を選ばない点も魅力です。

導入のしやすさで選ぶなら電動キックボード

できるだけ手軽に始めたい人には、以下の理由で電動キックボードがおすすめです。

• 16歳以上なら免許不要(特定小型に限る)
• ヘルメットが不要(着用は努力義務)
• 価格やモデルの種類が豊富

道路交通法改正により、電動モビリティを手軽に利用できるようになり、導入のハードルが大きく下がりました。これまで、興味があっても踏み出せなかった人にとって、乗り始めやすい環境が整ったといえます。

新しい移動手段を体験したい方は、まずは選択肢が豊富な電動キックボードから始めてみてはいかがでしょうか。

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最新の規制動向と今後の展望

道路交通法の改正により、電動モビリティを取り巻く環境は大きく変わり、現在は身近な移動手段として注目されています。ここでは、最新の規制動向と今後の展望について整理します。

道路交通法改正で広がる利用シーン

2023年7月の道路交通法改正により、電動モビリティに「特定小型原動機付自転車」として新たな区分が誕生しました。

制度改正により、16歳以上であれば免許不要で利用でき、最高速度20km/hで車道、自転車専用道を走行できるほか、6km/hモードに切り替えれば標識のある歩道も走行可能です。

制度緩和ともいえる新ルールによって利用シーンが広がり、通学や通勤の補助的な移動手段として、また観光やレジャーでの活用が進んでいます。今後は都市部だけでなく、地方でも短距離移動を支える交通手段として普及が進むことが期待されます。

シェアリングサービスの拡大

電動モビリティは、購入するだけでなく「シェアリングサービス」としても利用できる環境が整いつつあります。

都市部では、駅前や観光地に専用ポートが設けられ、スマートフォンのアプリで簡単に借りられる仕組みが普及しています。シェアリングサービスの普及によって、車を持たない若者や観光客でも気軽に利用できるようになりました。

さらに、さらに、自治体と事業者が連携した実証実験も増えています。駅から自宅や職場までのちょっとした距離など、公共交通機関だけではカバーしきれない最後の移動手段として活用が期待されています。

シェアリングの拡大は利用者層を広げるだけでなく、電動モビリティそのものの認知度向上にもつながっています。

安全性への課題と対策

電動モビリティの利用が広がる一方で、安全面の課題も多く指摘されています。特に、歩道での走行では、歩行者との接触事故や夜間の視認性の低下によってリスクが高まりやすいため、十分な注意が必要です。

さらに、ヘルメットの着用は努力義務にとどまっているため、転倒した際の頭のケガが大きなリスクとされています。も問題視されています。対策としては、ライトや反射材の標準装備やアプリを使った安全教育、速度を自動で制御する仕組みの導入などが進展中です。

利用者自身も交通ルールを理解し、必要に応じてヘルメットを着用するなど、自分でできる安全対策を意識することが大切です。

モペットか電動キックボードか、最適な一台を選ぼう

モペットと電動キックボードは、同じ電動モビリティでも特徴やルールが大きく異なります。

毎日の通勤・通学に使うのか、ちょっとした移動に便利さを求めるのか、自分の生活スタイルに合わせて選ぶことが大切です。どちらを選んでも、正しいルールを守れば安心して活用できます。

あなたにとって使いやすい一台を選び、新しい移動の楽しさを広げていきましょう。

ではまた！