- ロードサービスって必要?
- ロードサービスの違いは?
- どれを選べばいいか教えて!
バイクのロードサービスは「任意保険に付いているし大丈夫」と考えがち。でも、レッカー無料距離やサポート内容は、サービスごとに異なります。
なんとなくでサービスを選ぶと、余計な年会費を払っていたり、補償が足りていなかったりと、知らないうちに損している場合もあります。
だからこそ、自分に合ったロードサービス選びが大切です。
そこでこの記事では、バイクの任意保険(バイク保険)に付帯するロードサービスとJAF、ZuttoRide(ずっとライド)など5つのサービスを比較し、あなたのツーリングスタイルに合ったおすすめサービスをご紹介します。

自分のバイクライフに合ったロードサービスを選ぶための判断材料として活用してください。
【結論】バイクのロードサービスおすすめ5選
はじめに、おすすめ5つのロードサービスをざっくり整理します。
- 任意保険(バイク保険)
日帰りツーリングや市街地走行がメインで、レッカー無料距離が短くても困らない人向け。費用を抑えてトラブルに備えられる。 - JAF
すでにロードサービス付きの任意保険に加入していて、弱点を補強したい人向け。バイクだけでなくクルマも含めて「人」に対してサービスが付く。 - JACCS CLUB AJカード
バイクやクルマを複数台所有している人向け。ロードサービスに加えて、クレジットカードとしてポイント還元やETCカード発行もまとめて済ませたい場合に選びやすい。 - JRS Club-WIND’S
手厚いロードサービスと見舞金を両立させたい人向け。125cc以上のバイクなら、盗難・障害事故の見舞金が付く。 - Zutto Ride Club ロードサービスプラン
長距離ツーリングが多いライダー向け。無制限レッカーを選べるため、北海道・九州など、自宅から遠く離れた場所でトラブルが起きても、指定のショップや自宅まで運べる。
ロードサービスを選ぶときは、次の2つを確認しましょう。
- 加入しているバイク保険(任意保険)の補償内容を確認する
- 不足している補償を他のロードサービスで補う
この順番で確認すると、重複や補償不足を避けて、自分のツーリングスタイルに合う組み合わせを選べます。
各サービスの詳しい内容は、後半の『バイクのロードサービス5つの比較表と特徴』で解説しています。
ロードサービスは本当に必要?

ロードサービスは、事故や故障でバイクが自走できなくなったときに利用するサービスです。使う回数は多くありませんが、一度トラブルが起きるとレッカー代や移動費などの負担が大きくなる場合があります。
ここでは、ロードサービスに入るべき理由と、実際に起きたトラブル体験談をご紹介します。
ロードサービスが必要になる場面とリスク
「トラブルが起こるかわからないものに、お金をかける必要なんてあるの?」と感じる人もいるでしょう。でも、バイクが自走できなくなるトラブルは、頻繁に発生しています。
ロードサービスで有名なJAFの統計によると、2023年の出動件数は2,268,868件もあります。これは約14秒に1件の割合で出動している計算です。

ちなみに出動理由はこれじゃ。
- バッテリー上がり
- タイヤのパンク
- 事故(クルマは脱輪)
この数字はJAFだけの出動件数です。他社のロードサービスも含めると、今この瞬間もどこかでトラブル対応が行われていると考えられます。
また、走行距離が短くても、次のような使い方をしている人はリスクが高くなります。
- 単独で走ることが多い
- 通勤や通学で毎日使っている
- 山間部や郊外をよく走る
つまり、ロードサービスは「発生頻度は低いが、起きたときのダメージが大きい」トラブルに備えるための保険といえます。
【体験談】阿蘇でロードサービスに助けられた話
実際に、私たちもロードサービスのお世話になりました。
舞台は熊本県阿蘇市にある大観峰付近です。
秋の夕方、広大な景色を楽しんだあと、さあ出発しようとスタータースイッチを押しても、バイクは無反応。
原因はレギュレータのパンク(発電系統の故障)によるバッテリー上がりでした。
日が傾き始めて気温も下がるなか、山の中で立ち往生しかけましたが、ロードサービスに加入していたおかげで、20分ほどで救援が到着。そのまま安全に下山でき、レッカー費用も補償の範囲内で収まりました。
何も起こらないのが一番ですが、万が一の保険として備えておく価値は大きいと感じています。

あとから請求を見ると、レッカー費用は12万円!全額補償してもらえたのでロードサービスさまさまです。
ロードサービスで受けられる主なサービス

ロードサービスの内容や適用範囲、補償は会社によって異なりますが、ここでは共通している部分を整理して紹介します。
24時間・365日サポート
多くのサービスは、24時間・365日体制でコールセンターを設置しています。全国にサービス拠点や提携工場があるため、ツーリング先でも電話やアプリから連絡さえ取れれば救援を依頼できます。
一部の離島や林道など、現地状況によっては到着まで時間がかかったり、対応が難しいエリアもあるため、対応エリアを事前に確認しておくと安心です。
レッカーサービス
事故や故障でバイクが自走できなくなったとき、近くの工場や指定した工場までレッカー搬送してもらえます。
ただし、会社によって内容が大きく変わります。ポイントは、無料で運んでもらえる距離と、搬送先をどこまで指定できるかという点です。
距離を超えた分や指定外の搬送には、追加料金が発生する場合があります。自宅まで運べるのか、ツーリング先近くの整備工場までなのかなど、自分が想定している使い方に対応しているか確認しておくことが大切です。
レッカーの無料条件は、距離で区切るか金額で区切るかによって、運べる距離が変わります。トラブル時に運んでほしい場所までカバーできているか、一度確認しておくと安心です。

ダイレクト型のバイク保険は、レッカー無料距離が100km前後の会社が多いです。
一方で、私が加入している東京海上日動は、距離ではなく金額上限型。1回のトラブルにつき合計15万円まで補償されます。
バッテリー上がりの対応
バッテリー上がりの場合は、現地でジャンピング作業を行ってもらえます。キーの消し忘れや、劣化したバッテリーが原因で突然エンジンがかからなくなったときに頼りになるサービスです。
ただし、発電系統にトラブルがある場合は、現場での復旧が難しいため、そのままレッカー搬送に切り替わるケースもあります。ジャンピング作業が無料になる回数や条件があるので、事前に確認しておきましょう。
ガス欠時の補給作業
うっかりガス欠してしまった場合、ガソリンを持って現地まで届けてくれて、その場で給油してもらえます。
ガソリン代は自己負担になることが多いですが、サービスによっては一定量まで無料になるプランもあります。高速道路上や山間部など、最寄りのガソリンスタンドまで距離がある場所では、心強いサービスです。
現場での軽修理
30分前後で終わる簡単な作業であれば、その場で対応してもらえることが多いです。
たとえば、次のようなトラブルが対象になります。
- パンク修理
- カギの開錠
- オイルや冷却水の補充
走行に必要な最低限の状態まで回復できれば、そのまま自走して近くのショップや自宅まで戻れます。
ただし、部品代や消耗品の費用は別途請求になることが多いため、作業は無料でも部品代は有料という前提で内容を確認しておくと安心です。
バイクのロードサービス5つの比較表と特徴
結論で紹介した5つのロードサービスも、中身を見ていくと得意な場面がそれぞれ違います。ここでは、比較表で全体像を整理し、各サービスの特徴と向いている人を解説します。
| 自動車保険 AXA バイク保険 | JAF | JACCS CLUB AJカード | JRS Club-WIND’S | Zutto Ride Club ロードサービス | |
| 対象車両 | バイク (契約車両のみ) | バイク・クルマ | バイク・クルマ | バイク・クルマ | バイク (契約車両のみ) |
| 入会費 | – | 2,000円 | – | 1,100円 | – |
| 年会費 | 保険料に含まれる | 4,000円 | 2,200円 (条件付き無料) | 一般 2,200円 プレミアム 7,700円 | 5,990円 7,990円 9,990円 |
| 年間利用回数 | 制限あり | 無制限 | 無制限 | 無制限 | 無制限 |
| レッカー 無料距離 | 100km | 20km | 50km | 一般 20km プレミアム 100km ※クルマは15km | 50km 100km 無制限 |
| バッテリー上がり | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
| ガス欠 | ◯ 10L無料 | △ ガソリン実費 | △ ガソリン実費 | △ ガソリン実費 | △ ガソリン実費 |
| その他の軽作業 | ◯ | ◎ | ◯ | ◯ | ◯ |
| 宿泊費サポート | ◯ | × | ◯ | ◯ | × |
| 帰宅費サポート | ◯ | × | ◯ | ◯ | × |
| 修理後搬送サポート | × 引取り交通費のみ | × | ◯ | ◯ | △ 一部プランのみ |
| その他特徴 | 自動車保険 盗難の臨時費用特約 | 任意保険と連携可能 豊富な優待サービス | クレジットカード ETCカード無料発行 | 盗難事故見舞金 (125cc以上) 障害事故見舞金 (125cc以上) | 毎月プレゼント抽選 豊富な優待サービス 陸送10%割引 入院お見舞い |
気になるサービスを詳しく見る
・任意保険(バイク保険)のロードサービス
・JAF
・JACCS CLUB AJカード
・JRS Club-WIND’S
・Zutto Ride Club ロードサービス
任意保険(バイク保険)のロードサービスの特徴
任意保険のロードサービスは、多くのライダーにとって、すでに加入しているロードサービスです。追加の保険料なしでロードサービスを付帯している保険も多いので、費用を抑えてトラブルに備えられます。
しかし、ロードサービスの内容は、保険会社ごとに違いがあるため、注意が必要です。たとえば、次のような違いがあります。
- レッカー無料距離や対応範囲は保険ごとに異なる
- 提携工場にしか搬送できない保険もある
- 故障やガス欠などが補償対象外になる場合もある
また、保険料も一律ではありません。年齢や車種、使用状況や補償内容によって変わるため、補償内容と料金のバランスを見ることが大切です。
一方で、ロングツーリングの機会が多い人や、万が一のトラブルで遠方まで搬送してほしい人は、任意保険に付帯するロードサービスだけでは物足りない場合があります。任意保険の内容を確認したうえで、JAFやバイク専門ロードサービスを組み合わせる形で補強すると安心です。
デメリット
- レッカー無料距離が保険会社ごとに異なる
- 提携工場以外へ搬送できない場合がある
- トラブル内容や契約条件によってはサービス対象外になる
向いている人
- 費用を抑えてトラブルに備えたい人
- 片道100km前後のツーリングが中心の人
- 最低限のロードサービスで良い人
保険料とロードサービスの条件をまとめて見直したい場合は、複数社の見積もりを一括で比較できるバイク保険サービスが便利です。各社の保険料とロードサービス内容を並べて確認すると、利用状況に合った組み合わせを選びやすくなります。

ちなみにAXA バイク保険のレッカー搬送は、提携工場までは無制限じゃが、場所を指定すると無料距離は100kmまでじゃ。
修理後のバイクは基本的に自分で引き取りに行く前提になるぞ!
JAFの特徴
JAFは、入会金と年会費を支払って利用する会員制のロードサービスです。サービスは車両ではなく会員本人に紐づくため、マイカーだけでなくバイクやレンタカー、家族や友人のクルマに同乗しているときのトラブルにも対応します。
JAF会員なら、バッテリー上がりやパンク、キー閉じ込み、ガス欠、事故や故障時のけん引・搬送など、さまざまなロードサービスを回数制限なしで受けられます。レッカー搬送は20kmまで無料で、超えた分は1kmごとに830円になります。
また、任意保険のロードサービスとJAFを組み合わせると、保険会社の無料けん引距離に加えて、JAF会員分の20kmまで無料でけん引できる設計になっている保険もあります。どこまで無料になるかは保険会社やプランによって異なるため、契約中の保険での取り扱いを確認しておきましょう。
JAF会員になると、ロードサービスだけでなく優待サービスも利用できます。対象施設は全国の飲食店や宿泊施設、レジャー施設やガソリンスタンドなど幅広く、日常の買い物やツーリング先での食事・宿泊で割引を受けられます。

お出かけの頻度が多い人ほど、年会費を優待割引で回収しやすいサービスです。
ただし、JAFが負担するのは作業料金やけん引・搬送の一部に限られます。宿泊費や帰宅費用などの金銭補償は含まれません。年会費も別途かかるため、任意保険のロードサービスと重ねたときに、費用に見合うメリットがあるかどうかを考えましょう。
デメリット
- 任意保険とは別に年会費が必要になる
- 無料レッカー距離が20kmまで
- 宿泊費や帰宅費などの金銭補償が付かない
向いている人
- 複数の乗り物のトラブルに備えたい人
- 任意保険で足りない部分を補いたい人
- 優待サービスも活用したい人
年会費やロードサービス内容、優待サービスの詳細はJAF公式サイトで最新情報を確認できます。
JACCS CLUB AJカードの特徴
JACCS CLUB AJカードは、年会費2,200円(初年度無料・条件付きで翌年以降無料)のクレジットカードに、ロードサービスが付帯しています。会員本人にサービスが紐づく仕組みのため、バイクだけでなくクルマやレンタカー、友人が運転する車に同乗している場面でもサポートを受けられます。
ロードサービスの内容は、レッカー搬送が50kmまで無料で、30分程度の軽修理も無料対応です。レッカーは50kmを超えると距離に応じて有料になりますが、一般的なロードサービス付きクレジットカードが10〜15km程度であることを考えると、郊外ツーリングでも使いやすい水準です。
自宅から直線距離で100km以上離れた場所で自走不能になった場合は、「宿泊費用」「帰宅費用」「修理後の自宅搬送費用」のいずれか一つを選んでサポートを受けられます。
さらに、ETCカードを年会費・発行手数料無料で追加できる点や、カード利用でポイントがたまり、Jデポとしてカード利用代金に充当できる点も特徴です。
デメリット
- 条件を満たさないと年会費が発生する
- レッカー無料距離が50kmまで
- クレジットカードを増やしたくない人には使いづらい
向いている人
- 複数の乗り物のトラブルに備えたい人
- 宿泊・帰宅サポートを充実させたい人
- 決済をクレジットカード一枚に集約したい人
JRS Club-WIND’Sの特徴
JRS Club-WIND’Sは、日本ロードサービス株式会社が提供するバイク向けの会員制ロードサービスです。プレミアム会員なら、バイクが事故や故障で自走できなくなった場合に、レッカー搬送を100kmまで無料で利用できます。
条件に応じて宿泊費用や帰宅費用、修理後のバイクを自宅まで搬送する費用なども補償されます。
プレミアム会員には、レッカーサービスに加えて見舞金の特典がある点も特徴です。登録するバイクが125cc以上で条件を満たした場合、盗難事故見舞金や障害事故見舞金として50,000円が受け取れます。
サービスを利用するためには、125cc以上のバイクを一台登録する必要があります。車両を乗り換えた場合は登録情報の変更が必要になり、登録外の車両は見舞金や各種サポートの対象外です。
年会費もかかるため、任意保険のロードサービスと比べながら、サービス内容やサポートにどこまで価値を感じるかを基準に検討することが大切です。
デメリット
- 任意保険とは別に年会費が必要になる
- 登録したバイク以外はサービス対象外
- 乗り換え時に登録変更が必要になる
向いている人
- 125cc以上のバイクでロングツーリングに行くことが多い人
- レッカー100kmと宿泊・帰宅サポートを重視する人
- 盗難や事故の見舞金も備えておきたい人
年会費や会員種別の詳細はJRS Club-WIND’S公式サイトで確認できます。
Zutto Ride Club ロードサービスの特徴
ZuttoRide Clubは、バイク専用の会員制ロードサービスです。プランはロード50(50km)、ロード100(100km)、ロード無制限(距離無制限)の3種類があり、バイクショップや自宅など指定した場所までレッカー搬送できます。
ロード無制限プランは、北海道や九州など、自宅から遠く離れた場所でのツーリング中でも、搬送距離を気にせず依頼できる点が強みです。
自宅でのトラブルでもレッカー搬送を依頼できるので、バイクが始動しなくなった際も安心です。ただし、バイクショップでZuttoRide Clubに加入した場合は、搬送先が原則そのバイクショップになる点は注意が必要です。

自宅から遠く離れた場所で、愛車をよく知らないバイク屋さんに預けたくない人におすすめです。
ロードサービスは24時間365日対応で、レッカー搬送のほか、現場応急対応やガス欠時の燃料補給、バッテリー上がり対応やカギ開けなどの基本的なサポートも含まれます。プランによってはパンク修理補償や傷害保険がセットになった上位プランも用意されています。
年会費は、任意保険のロードサービス特約に比べると高めになる傾向があります。一方で、バイク専用ならではの無制限レッカーや、広い対応エリアは、自宅から遠く離れた場所でトラブルが起きたときに力を発揮します。
フェリーを使った北海道や九州への遠征や、連泊しながら長距離を走るツーリングが多いほど、加入しておく価値が高いロードサービスです。
デメリット
- 任意保険とは別に年会費が必要になる
- ほかサービスより年会費が高い
- 近距離ツーリングが中心だとメリットを受けにくい
向いている人
- フェリー遠征や連泊ツーリングで長距離を走る人
- 自宅やかかりつけショップまで確実に運んでほしい人
- 任意保険やJAFのレッカー無料距離だけでは不安を感じている人
ZuttoRide Clubの各プラン内容や実際の使い心地、年会費に対して元が取れるかどうかは、別記事で詳しく解説しています。
盗難保険との組み合わせについて知りたい場合は、ZuttoRide Club盗難保険の解説記事も参考になります。
< 【口コミ・評判】ZuttoRide Clubの盗難保険は心と財布の安定剤だ! >
自分に合ったロードサービスでトラブルに備えよう
バイクのロードサービスは任意保険の付帯サービスを基準に考えると整理しやすくなります。まずは、レッカー無料距離や対象となるトラブル、宿泊・帰宅サポートの有無を確認しましょう。
不足を感じる部分があれば、人に紐づくロードサービスやバイク専用サービス、レッカーに強いサービスなどで補うと、費用と安心のバランスを取りやすくなります。
バイクは趣味性の高い乗り物なので、ランニングコストは抑えたい。でも、ロードサービスは一度トラブルが起きたときの負担を大きく減らしてくれます。
任意保険の内容と、どんな場面でバイクに乗ることが多いかを整理し、自分に合ったロードサービスでトラブルに備えましょう。
ではまた!



