- バイクのオイル交換って難しそう・・・
- 工具も知識もないけど自分でやってみたい!
- ヤマハ トリッカーのオイル交換の方法を知りたい
バイクのメンテナンスを自分でやることに、初めはハードルが高いと感じるかもしれません。ところが!手順さえ守れば、簡単なメンテナンスくらいなら自分で対応できます。
中でも、エンジンオイルの交換は初心者でも挑戦しやすい整備の一つです。
そこでこの記事では、ヤマハ トリッカーのエンジンオイルとオイルフィルターの交換方法をわかりやすく解説します。必要な道具から具体的な手順、注意点までしっかりカバー。初めてでも安心して作業できる内容になっています。

トリッカーのオイル交換は、必要な工具も少なくて始めやすいです。オイル量も少なので気軽に挑戦できますよ!
今すぐ交換手順が知りたいあなたは、ここからジャンプ!
トリッカーのオイル&フィルター交換で必要な物

トリッカーのエンジンオイル&オイルフィルター交換に必要な物の一覧は、以下のとおりです。
必要な物 | 数 量 |
エンジンオイル | 1.3L |
オイルフィルター | 1個 |
オイルドレンワッシャー | 1個 |
Oリング | 一式 |
廃油処理パック | 1個 |
必要な物について、詳しく解説します。
エンジンオイル:10W-40 1.3L(オイル交換のみ 1.2L)
メーカーが推奨するトリッカーのエンジンオイル粘度は「10W-40」です。MAグレードが指定されているので、MA1でもMA2でも問題ありません。トリッカーのエンジンオイルとフィルターの交換には1.3L必要なので、1Lを2本、または4L缶を購入しましょう。
私は「カストロール POWER1T 」を使用しています。カストロール POWER1T は4L缶で900円/Lほどで、性能も問題ないのでオススメです。

ちなみにMAグレードとは、バイクで使用できるエンジンオイルの中でも、高い摩擦特性を持つオイルのことじゃ!
MA1よりもMA2の方が高性能とされておるが、MA1は見かけなくなったのぉ。

今回は、AZのオイルがお得に入手できたので「MEC-003/CIRCUIT+ 10W-50」を使用します。推奨オイルよりやや硬めですが、10くらいなら問題なしです。

夏はエンジンの熱ダレを防ぐために、一つ上の粘度「10W-50」に替えるライダーさんもいます。もし、パワーが出ないなと感じたら、実際に試してみるのもいいですね!
MEC-003は高速や長距離、サーキット走行での使用を推奨するハイスペックオイルです。街乗りや普段のツーリングで使用するにはオーバースペックかも。イベント会場で50%OFFクーポンをいただいたので購入してみました!
参考に定価で計算してみると、4L缶で約1,800円/L。なんと、カストロール POWER1Tの2倍の価格!

オイルフィルター:K-PIT オイル交換フルセット

引用元:オイルフィルターの基礎知識 – ヤマハ発動機
トリッカーのオイルフィルターはエレメント式になっていて、フィルターの中身だけを交換するタイプです。カートリッジ式オイルフィルターより、少しだけ手間が増えます。
エンジンオイルとフィルター交換には、オイルドレンワッシャーとOリングの同時交換が推奨されています。「キタコ オイル交換フルセット」は、交換部品がすべてセットになっているのでオススメです。

廃油処理パック
古いオイルは廃油処理パックにしみ込ませることで、燃えるゴミとして処分できます。受け皿も必要なく、古いオイルをそのまま受け止められるので便利です。

ただし、自治体によっては燃えるゴミとして処分できない地域もあります。もし自治体で処分できない場合は、ペットボトルなどの容器に入れて、ガソリンスタンドやバイク用品店に持ち込むか、廃油回収業者に依頼しなければいけません。
無料のごみ分別アプリ「さんあ~る」を使用して、事前に確認しておきましょう。


交換整備に必要な2つの工具

トリッカーのエンジンオイルとオイルフィルターの交換に必要な工具は、この2つだけです。
- 両口メガネレンチ 12-14mm
- 六角レンチ 5mm
今後も整備を行うなら、工具セットの購入をオススメします。KTCの片開ハードケース工具セットは整備で必要になる最低限の工具が選ばれているお得なセットです。安いツールセットは精度が低く、ボルトやネジ穴を壊してしまったり、分厚くて使いづらかったりします。

オイルフィルターやOリングを組み付ける際、シリコングリスが必要ですが、エンジンオイルでも代用可能です。シリコングリスはどこでも使える便利なグリスなので、持っていて損はありません。

交換整備に便利な3つのアイテム
エンジンオイル交換であると便利な3つのアイテムはこちら!上から、あったら便利な順に並べています。
- 漏斗(ろうと)
- ブルーシート
- エンジニアグローブ
トリッカーのオイル注入口は狭いので、漏斗があると便利です。牛乳パックなどをまるめて漏斗状にするのもアリ。オイル交換作業は注意していても、オイルをこぼしがちです。ブルーシートなどを敷いておくと掃除が楽になります。
手を洗うのが面倒なら、エンジニアグローブがオススメ。ピッタリ手にフィットして再使用も可能です。カゲ太愛用モデルはこちら。

トリッカーのオイル&フィルター交換方法
ヤマハ トリッカーのエンジンオイルとフィルターの交換方法をわかりやすく解説します。手順をまとめると、以下のとおりです。
- ドレンボルトを外して古いオイルを抜く
- オイルフィラーキャップを外す
- オイルフィルターを取り外す
- オイルフィルターを取り付ける|締め付けトルク 10N・m
- ドレンボルトを締める|締め付けトルク 20N・m
- 新しいエンジンオイルを入れる|1.3L(オイル交換のみ 1.2L)
- オイル量とオイル漏れをチェックする
全行程で30分くらいで完了します。慣れてしまえば20分を切るくらいお手軽です。それぞれの工程を写真付きで詳しく解説します。
1. ドレンボルトを外して古いオイルを抜く

エンジン下部のドレンボルト(12mm)を緩めます。アンダーガードを装備したままでも、オイル交換は可能です。今回は、わかりやすさ重視で取り外しています。


ドレンボルトにメガネレンチの12mm側をかけ、手のひらで叩くようにして緩めます。一般的なボルトが緩む方向は反時計回しです。画像は、ボルトの裏側から見ているので、緩める方向に戸惑うかもしれません。

叩いて緩める理由は、グイグイ押したり引いたりして緩めると、勢い余って車体で手を痛める恐れがあるためです。
ドレンボルトを完全に外す前に、廃油処理パックをスタンバイ。ドレンボルトを緩めつつ、横に逃げるようにすると、古いオイルが手にかかる被害がマシです。

「暖気したほうがオイルが柔らかくなって排出しやすい」とされていますが、暖気はお好みで大丈夫です。暖気してもすべてのオイルは抜けません。火傷を負うリスクも高まるため、私は暖気しません。
暖気の代わりに、オイルを抜く時間を長く取ったり、バイクを揺すったりすると効果的です。
こちらの記事で、オイル交換を自分でやるメリットとよくある疑問について解説しています。
2. オイルフィラーキャップを外す

このタイミングで、オイルフィラーキャップを外します。オイルフィラーキャップを外すことで、エンジンオイルが排出しやすくなるという説がありますが、トリッカーでは変わりませんでした。
でも、オイルフィラーキャップを外すことで、オイルの入れ忘れを防げます。「そんなミスはしない」と思いがちですが、プロでもうっかりはあるため、作業中だというサインを残すことは大事です。
オイルフィラーキャップにメガネレンチの14mm側をかけ、緩めます。ボルトの表面から見ているので、反時計回りに叩いて緩めれば大丈夫。

ここでオイルフィラーキャップのOリングを交換します。「キタコ オイル交換フルセット」に付属しているOリング中を使います。



Oリングにエンジンオイル、又はシリコングリスを全体的に薄く塗って、滑りを良くしましょう。滑りを良くすることで、締め付ける際に噛み込んでちぎれてしまうことを予防します。
古いOリングが外れにくい場合は、マイナスドライバーや、先の尖ったもので引っかけてやると簡単に外せます。古いOリングは交換するので、ちぎってしまっても大丈夫です。
3. オイルフィルターを取り外す


5mmの六角レンチを使って、オイルエレメントカバーのボルトを外します。エンジン右側の小さな円形の部分がオイルエレメントカバーです。
3本のボルトを外してカバーを引っ張ると、オイルフィルターが出てきます。オイルフィルターが入っていた窪み周辺とカバーを清掃します。掃除はそこまで神経質になる必要はありません。
ただし、金属が触れ合う平らな部分にゴミが残らないようにしましょう。カバーを閉じる際に異物が噛み込むと、オイル漏れの原因になってしまいます。
4. オイルフィルターを取り付ける|締め付けトルク 10N・m

Oリング大と小を交換します。Oリング大はカバー裏、Oリング小はエンジン側に残っているはずです。取り外す際は、金属の平らな面を傷つけないように注意しましょう。オイル漏れの原因になります。
新しいOリングにエンジンオイル、又はシリコングリスを全体的に薄く塗って取り付けます。
新しいオイルフィルターを取り付けます。オイルフィルターのゴム部分にもエンジンオイル、又はシリコングリスを全体的に薄く塗ってください。

ひょっとすると、Oリング小が余っているかもしれません。K-PIT オイル交換フルセットには、Oリング小が2つ入っていますが、年式によってOリング小の使用数が異なります。2010年式のトリッカーで使用するOリング小は1つだけです。


オイルエレメントカバーを取り付けます。1本だけを締め付けず、均等に締めて(仮締め)から本締めしましょう。

ボルトの場所が分からなくなった場合、とりあえずボルトを差し込めば位置がわかります。ボルトを差して1cmくらい飛び出している場所が正解です。
締め付ける際も、手のひらで叩くように締めます。六角レンチが軽くしなる程度のトントンくらい。押したり引いたりしてぐっと締め付けるとオーバートルクになりがちです。
締め付けトルクは10N・m。締め付け具合に不安があるときは、トルクレンチを使用すると安心です。

5. ドレンボルトを締める|締め付けトルク 20N・m

エンジン内のオイルは完全には排出できないので、満足した段階でドレンボルトを締めます。周辺をきれいに清掃して、新しいオイルドレンワッシャーをドレンボルトに通して締め込みます。
オイルドレンワッシャーなどの平らなワッシャーには表と裏があるので要注意。よく見ると角が丸い面と尖った面があり、尖った面がエンジン側です。
ワッシャーを逆に組んでオイル漏れが起こったという話は聞いたことがありませんが、表裏があるなら守った方が安心です。
ドレンボルトも手のひらで叩くように、トン・トン!っと本締めします。銅ワッシャなどの潰れるタイプのワッシャだと感覚が難しいです。不安に感じたら、トルクレンチを使って20N・mで締め込みましょう。
6. 新しいエンジンオイルを入れる|1.3L(オイル交換のみ 1.2L)

新しいエンジンオイルをオイル注入口から入れます。口が狭いので、漏斗(ろうと)があると便利です。注意点としては、規定量の1.3Lが必ず入るとは限りません。
エンジン内に残ったオイルは、交換整備を行うたびに変わります。規定量は目安程度に考えていた方が良いです。

1Lほど入れてからバイクをまっすぐにして、オイル量を確認します。エンジン右側下部のエンジンオイル点検窓の上限と下限のメモリ内にあれば適正量です。今はちょうど真ん中です。
オイルフィラーキャップを軽く締めて、エンジンを10秒ほどかけて停め、改めて点検します。エンジンオイルが全体に周ったため、さっき点検したよりも減っている状態になっているはずです。適正量になるまで、繰り返し補充します。
エンジンオイルを入れ終わったら、オイルフィラーキャップを10N・mで締め付けます。私は、クッ・トンくらいです。

エンジンオイルは、エンジンを始動すると隅々まで行き渡ります。正確にエンジンオイルの量を測るために、3分ほどアイドリングさせたのち、3分放置してから測定しましょう。
毎回はやるのは面倒なので、メモリの真ん中あたりを狙っていくといい感じです。
7. オイル量とオイル漏れをチェックする
最後に、ある程度アイドリングを行い、ドレンボルト、エレメントカバー周りのオイル漏れをチェックしましょう。漏れがある場合は、ボルトの締め忘れや、ワッシャやパッキンの交換ミスが考えられます。
問題なければ、エンジンを止めてエンジンオイルの最終チェックを行います。エンジンオイルの量が少ない場合は補充しましょう。問題なければエンジンオイル&エレメントの交換は完了です。
お疲れさまでした。
トリッカーのオイル&フィルター交換に関するよくある質問
トリッカーのオイルとオイルフィルター交換に関するよくある質問についてまとめました。交換整備に入る前に、不安を解消しておきましょう!
- Q交換時期の目安は?
- A
エンジンオイルは一般的に、3,000kmまたは6か月ごとの交換が推奨されています。オイルフィルターはオイル2回交換につき1回のペースが目安です。走行距離や使用環境に合わせて調整しましょう。
- Q余ったオイルは次回も使える?
- A
エンジンオイルは、開封後1~2年を目安に使用すれば劣化の心配はありません。直射日光の当たらない冷暗所にて保管しましょう。
- Q自分で作業するのが不安な場合は?
- A
自分で作業するのが不安な場合は、無理せずバイクショップに相談しましょう。不必要な出費を避けるためにも、無理をしないことが大切です。
- Qオイルを入れすぎてしまった!
- A
エンジンオイルを入れすぎてしまっても策はあります。ドレンボルトを開けてオイルを抜くか、オイル注入口からシリンジなどを使って吸い上げれば大丈夫です。
ブレーキフルードの交換にも役立つので、持っていて損はありません。
- Qボルトが舐めてしまった!
- A
ドレンボルトの頭をなめてしまっても策はあります!ナットツイスターを使用することで、簡単に取り外せます。どんな作業でも、ボルトを取り外す際は、工具がはずれないように奥まで入れて保持しながら緩める・締めることが大切です。
- Qネジ山を潰してしまった!
- A
オイル排出口のネジ山を潰してしまっても、もちろん策はあります!オイルドレンホール修正キットを使用することで、ネジ山を復活させます。トリッカーならM12×1.5mmがジャストサイズです。
経験がないので、具体的なアドバイスはできませんが、切りくずがエンジン内に残らないように工夫しましょう。切りくずを排出するために、作業後のフラッシングが効果的です。
10分ほどアイドリングした後に、再びエンジンオイルとオイルフィルターを交換することで、エンジン内に残った切りくずを取り除けます。
怖いと感じたら、無理せずバイクショップに相談しましょう。
オイル交換でモトライフを楽しもう!
今回は、ヤマハ トリッカーのエンジンオイルとオイルフィルターの交換方法を解説しました。
オイル交換は手順を守って行えば意外と簡単です。慣れるまでは不安かもしれませんが、達成感や自分の成長を強く感じられます。バイクのことを深く知りたい人は、ぜひ挑戦してみてください。
この記事が、オイル交換に興味を持った人の助けになれば幸いです。もし、分からないことがあれば、気軽にコメントください!
ではまた!
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